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Kami no Kakera 1

2015.06.11

takahiro murahashi

村橋貴博/アーティスト。2人組のアートプロジェクトguse ars(グセアルス)として活動。浜辺に漂着した陶片を表現素材として、展示やデザイン、本の制作などを行う。個人名義では、コラージュ技法を中心とした作品発表を行う。SBBに常設の商品棚を設置中。 http://guse-ars.com

Kami no Kakera 1

8月。SUNNY BOY BOOKSで展示をする。
guse arsではなく、個人名義で。
久しぶりのソロエキシビジョン。
コラージュでの展示、
とても楽しみにしている。

夏の展示に向けて、
普段、コラージュと向き合う時に考えていることを書いていけたらと思う。
あまり何を書くかは決めていないので、
頭のいろんな所から言葉をひっぱりだして
文章もきっとコラージュ的になるだろう。
まとまりとして、なんとなく何かを感じていただければと思う。

tm01

紙。 自分にとっては神さま。

完成されている素材の画面を見ると
絶対に切り取られるとは思っていなかったであろう、 そんな部分が欲しくなる。
意識されない、
何ともとれない部分が欲しくなる。

脚と脚の間の余白
彫刻と天井の間の空間
活字の輪郭の外側

意味のあるものは、意味のないものへと分解したくなる。
輪郭線の外側を輪郭線の内側にしたくなる。

コラージュとは、フランス語の「糊付け」を意味する言葉らしいが、
自分の中では「切り抜き」の意識が強い。
「どう貼るか」というより「どう切るか」だ。
分かりづらいかもしれないが
切ることは描くことに似ている。
はさみを入れることは、筆で輪郭線を描くことだ。
真ん中だと思っていたその部分を
突然、端に変えることだ。

だから、図像が放つ情報を
無意味に感じとって見ることが大事。
表面的にかつ真剣に見ることが大事。

カミキレは今日も言う
「紙切れ」と

「髪切れ」かもしれないし
「噛み切れ」かもしれない

僕は、
身だしなみを整えて、
よく噛んで食べて、
紙を切れ、ということだと理解している。

さて、今日はこの紙をどう描き切ろうか。

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