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カナイフユキの正直な話(1)

2015.10.05

カナイフユキ

カナイフユキ / イラストレーター・コミック作家。パーソナルな語りをテーマに絵とエッセイ、マンガで構成された三部作ジン『HOME』『WAY』SUNNY BOY BOOKSにて発売中。コミック・ジン「LOST IN PARADISE」(¥600-)も。http://fuyukikanai.com/

はじめまして。カナイフユキと申します。
イラストレーションやコミックなどの創作をしております。
この度、10月31日からsunny boy booksさんで展示フェアを開催させていただくことになりました。

季節は秋ですね。
よく晴れた日には本当に気持ちが良くて、何もせずにぶらぶらと歩きたくなってしまいます。

かつて、「学校に行きたくない日」がありました。
秋のよく晴れた日に、高くなった空を見て、何もしたくなくなってしまうあの感覚は、その頃の気持ちによく似ています。
誰かのペースに合わせる必要のない場所に行って、誰かのペースに合わせる必要のない時間を過ごしたい、そんな気持ちです。

たまに本当に行かなかったり、途中でこっそり帰ったりしました。あの頃のことを思い出すと、本当に何もかもいい加減で、無駄な考えごと以外ろくにしなかった自分が、よくここまで生きてきたものだと我ながら感心します。こんなことでちゃんと大人になれるのかな、なんて不安だったんですが。
でも、あの頃はあの頃で真剣に悩んでいたんだろうなと懐かしく思います。

自転車で遠くまで行ってみたり、ひとりで映画を観たり、公園で時間をつぶしたりしていたときに感じたことが、いまではとても大切なことだとわかるし、創作の材料にもなっています。

秋の空気はそんなふうに、なぜか人を内省的にさせますね。夏が終わるのが寂しいからでしょうか。
でも自分のことをうじうじ考えるのも良いです。秋ですからね。

夏の終わり、秋の始まり、少しずつつめたくなっていく空気。その中で、自分の現在や未来についてあてどなく考える若者たちを描いたのが私のコミック・ジン「LOST IN PARADISE」です。sunny boy booksさんで絶賛販売中ですので、ぜひお手にとってご覧ください!

hon

次回は展示フェアの内容についてお話しようと思います。

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