Writer:中澤 季絵
中澤季絵(なかざわ・きえ)イラストレーター/絵描き 絵で暮らしをいろどる楽しさを軸に幅広く活動中。理科系出身、生き物がとてもすきです。脇役蒐集人。このページでは、本の中の道具を描き連載中。 www.kienoe.com
それぞれの道具「道具と出合う、本の中へ」 9 ”花かんざし”
2016.01.30
花かんざし 「雑貨部は、広い土間にしてあって、その中に、硝子張りの陳列箱が並べてあった。 いろいろな土産物だの、花かんざしなどが、この陳列箱の中に並んでいるのが、美しかった。」 『中谷宇吉郎随筆集』樋口敬二 編 岩波文庫…
それぞれの道具「道具と出合う、本の中へ」 8 ”めぐらし屋”
2015.10.02
めぐらし屋の、大学ノート 「黒い背にすり切れた金文字の商標が入っている厚手の大学ノートをひろげたとたん、蕗子さんは言葉を失った。表紙の裏に画用紙の切れ端が貼りつけてあって、そこに黄色い傘が描かれていたからで…
それぞれの道具「道具と出合う、本の中へ」 7 ”銀の匙”
2015.06.09
銀の匙 「私はおりおり小箱のなかからそれをとりだし丁寧に曇りをぬぐってあかずながめてることがある。私がふとこの小さな匙をみつけたのは今からみればよほどふるい日のことであった。」 『銀の匙』中勘助 作 岩波文…
それぞれの道具「道具と出合う、本の中へ」 6 ”指揮棒”
2015.04.15
指揮棒 「そこでぼくは思った。よし、五体でぶつかってやれと。 これが通ぜず落選したらしかたがない。その時にはスイスにでもゆっくり遊びに行こうと クソ度胸を固めた。ぼくは腕だめしのつもりで大胆に棒を振っていっ…
それぞれの道具「道具と出合う、本の中へ」 5 ”着物”
2015.02.26
着物 「当日、披露宴の席に着き、真紅の着物に守られ、用意されたひときわ明るい光の中に居た。 どんな目で見られても心は騒がなかった。」 「赤姫」 『幸田文の箪笥の引き出し』青木玉 作 新潮文庫より  …