Top > Column一覧 > つゆ色のスカーフ 第3回

つゆ色のスカーフ 第3回

2015.06.08

清水美紅

清水美紅(しみず・みく)1984年生まれ。群馬県出身、東京都在住。自分の心の挿絵のような感覚で絵を描く。2017年9月に当店で二回目となる展示フェア「新しいかけらと秋の仕草」に向けた創作日記を連載中。 http://shimizumiku.com/

スカーフをつくりました。

sunikki_3_1
sunikki_3_2
sunikki_3_3

髪に結んだり、バッグにつけてもいいですね。窓の近くに飾るのもおすすめ。
雨が降りだしたら頭にのせて。

スカーフが最近好きになりました。言葉の感じも、存在も。
絵のようだし、正方形はまじめな雰囲気を持っています。細長いものもあって面白いです。
バイトで、よくエルメスのスカーフを見るのだけれど、すごいなあと思います。
なにかの道具や、どこかの国や、知らない物語のようなものが、綺麗な色、シルクの質感とユーモアをもって描かれていて、何人か描き手がいるのもわかって、果てしない時間を感じます。
エルメスだなんて、到底手が届かないけれど、絵が関わっているんだなあと思うと、
外国で がんばっている絵描きの気持ちが想像できて嬉しい。
正方形にぎゅっとおさまっている、憧れ。

今回の「つゆ色のスカーフ」での絵も全部、正方形です。
エルメスにはなれないけれど、誰かの気持ちや、いつかの場面、そして6月の花と雨を描きました。
半透明の紙に描いているので、絵の具をのせると、しわができることに心踊りました。しわができてもいい。
薄い色は色がのっているのかのっていないのか?と思いながら描いたのが良い思い出です。
深い色は軽やかに。
カサコソと音がなるのも今までにない体験。

展示ではその原画と、スカーフをおきます。
スカーフはプリントです。
自分の絵が布になったこと、感激しました。
初めてだったので、かなり模索して、プ リントができてもちょっと緊張があった。
でもカットして、サインを入れて(シルクスクリーンなんです)、
アイロンをかけている時とっても幸せな気持ちになった。
本当に作ってよかった。

私の夢のひとつに服作りがあります。
布の感覚を知って、もっとイメージが膨らんだ!

sunikki_3_4

どんなふうに使うか、私も楽しみだよスカーフ。
そろそろ梅雨がやってきます。
(2015/6/8)

↑ページトップへ