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Writer:イトウ ユタカ

イトウ ユタカ

イトウ ユタカ:音楽製作業と並行して近年、著述業を開始。2015-16年、雑誌SWITCHにて 音楽家・小島ケイタニーラブ、写真家・朝岡英輔とともに記事を連載。小島と作家・温又柔 のユニットpontoに雑談/音響として参加中。雑談が好きなので、雑談家という肩書きをつ くってみました。雑談しましょう。

「もやもやの午」其の七『名古屋の女(ひと)』6

2018.07.22

 ゲストハウスの扉をくぐると小さな玄関があり、左側にある靴箱にはスリッパと靴が整然と差し込まれている。靴箱に沿った壁には日本語、英語、中国語の注意書きや、観光名所のポスターが貼られていた。玄関のすぐ右側には扉が外された部…

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「もやもやの午」其の七『名古屋の女(ひと)』5

2018.01.19

「私は始めてもう2年くらいなんだけど、いまはフォロワーも増えたし、名古屋支部の副マネージャーも任されるくらいになってきたんだよね。このビジネスの画期的なところは、なんといってもシステム。私みたいな人間が出勤前の数時間パソ…

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「もやもやの午」其の六『名古屋の女(ひと)』4

2017.10.13

 A子の家はカフェから10分ほど歩いたところにあった。歩くにつれ雑居ビルやお店は減っていき、街並みは一軒家やマンションの立ち並ぶ住宅街に変わっていった。住宅街の景色は東京の郊外となんら変わらない。オーガニックワインの酔い…

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「もやもやの午」 其の五『名古屋の女(ひと)』3

2017.07.10

 高層ビルが立ち並ぶ目抜き通りを越えて若干いかがわしいピンク色のネオンがつき始めたばかりの街 並みを抜けると、雑居ビルやマンションの立ち並ぶ一角の中で、比較的新しい建物の一階部分に木目調 の面構えをした店が見えた。店の前…

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「もやもやの午」 其の四 『Documentary Poem “或る男のモノローグ”』

2017.05.24

 (肌寒さの残る春のはじめ。小雨。東京にある小規模な繁華街の外れ。細い通りに面した薄暗い立ち飲みバー。BGMは九十年代のアブストラクトヒップホップでボリュームは控えめ。ウイスキーが立ち並ぶ客席カウンターに六十代の男が一人…

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