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つゆ色のスカーフ 第4回(おしまい)

2015.06.17

清水美紅

清水美紅(しみず・みく)1984年生まれ。群馬県出身、東京都在住。自分の心の挿絵のような感覚で絵を描く。2017年9月に当店で二回目となる展示フェア「新しいかけらと秋の仕草」に向けた創作日記を連載中。 http://shimizumiku.com/

 

つゆ色のスカーフ、と本当の梅雨が始まりました。

たくさんの方にきていただいて嬉しい。
見てくれた方へ、ありがとうございます。
絵を、雲見るみたいに見上げて、
スカーフを広げたり、たたんだりしている姿、すばらしい眺め。

本当にありがとうございます!

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SUNNY BOY BOOKSの片隅に雨をふらせました。
絵はカサコソいっている。

 

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お花は tilt flowersの角田えみさん

えみさんの手により、みるみるお花が絵に添えられていきました。
その様子を近くで見られたこと、忘れません。
長さをちょっと変えるだけで、ガラスの瓶にうまくバランスをとって。
どうやったらそれがわかるんだろう?
植物をもっと知りたいな。

えみさんは、私の絵の水色のところを、花びらみたいと言っていた。

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展示の面白さって、思い描いたことが目の前にあらわれること。

もちろん時間はぶつぶつ切れているわけではない、から、
思い描き始めた日から、搬入が終わるまで、なるべく誤差がないように想像に目をこらします。
私は何回か展示をしているけれど、繰り返しているうちに、
さまざまな物づくりに対しておもわず感動して泣きそう、いやちょっと泣くっていうことがある。
映画をみても、音楽を聞いても、そしてそして他の人の絵を見ても、
一人の人がここまでできるんだ、ここまで懸けることができるんだって、なんだか本当に、心がつかまれるのです。

絵は、展示のためにかくわけではないのだけれど、
展示って、空間にどれだけそそげるかということ、かなっと私は思います。
だから私は展示をする、目の前にあらわれると嬉しいし、楽しい。
それを久しぶりの友達が見に来てくれたりして、しみじみ。
色んなひとに会えるのも、展示のいいところ。

製作中、実感しました。
私はまったく、気持ちだけで絵を描いているのだなあと。
それだけで充分だと思っているから、そこはゆらがないのだけれど、
気持ち以外の部分も育てたいなあと感じました。
それがコラムの最初に書いた、もっと大きくなりたいということなのかな?
例えばものとものの距離感、配置、動線、ヒントは生活にある気がする。
ちょっとまとめすぎかな。
私いまだに、いろいろと分からない、けれど次をみている、それが正直なところです。

思い起こせば、初めて展示をした場所も本屋さんでした。
本と絵はやっぱり相性がいい。
本と絵は少しにている、存在の位置が一緒にある気がする。
いつもそこにいて、気づけば寄り添い自分の部分となる、もの。

雨の日に、絵を描く、あいまに本を読む、外を眺める、また描く、
雨あがる、太陽がさす、私も自然の一部だと実感する、そんな日がたまにあります。
これからも、あるといいな。
(2015/6/16/おしまい)

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