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ボクサーの動物日記 3回目 「裏動物学講座について」

2015.02.11

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ダンサーとメッセンジャーという動物とは全く関係のない仕事をしながら動物への飽くる事なき探究心を持て余しているボクサーの動物日記。SBBにて「ボクサーのニッチな裏生物学講座」を不定期で開催中。

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人間には個性がある。心がある。これは明白だ。
心が何かという複雑で出口の無い問答は置いておくとして。
もちろんイヌや猫にもある。これに反論する人はほぼいないと思う。
僕もそう思う。
飼っている人にははっきりと彼らに感情が、心がある事がわかると思う。
では鳥はどうか。無論、鳥にもあるだろう。
カラスやオウムなどの鳥はチンパンジーやゴリラなどの霊長類と同じ脳と体の比率をしている。
つまりとても賢いのだ。
例えばあるカラスはお賽銭を盗み、エサ用の自販機で家畜のエサを購入して食べる。
ではは虫類や両生類はどうか。
飼っているヘビとあなたの心は通じ合っているといえるのか。
カエルの趣味趣向を僕らは把握できているのか。
仮にそれらの動物と向き合えたとしても無脊椎動物はどうか。
ヨロイモグラゴキブリを3匹飼っていたとしてその違いに気づくだろうか。
僕にはわからない。飼った事がないし、ゴキブリはあまり得意ではないからだ。

最近呼んだ記事で虫がもしかすると痛みを感じているかもしれないという事が書いてあった。
昔、ほんの数十年前、痛みや苦しみは人間だけのものであった。
動物は痛みを感じず、苦痛も感情もない。
実際にそう思われていた時代があった。
それがほ乳類には痛みがあり、両生類、は虫類にも痛みがあり、魚にももしかすると痛みがあり、そして虫にもあるかもしれないとなってきたわけだ。
例えば僕はずっと虫は完璧な機械のような存在だと思ってきた訳だ。
ほ乳類にあるような心はなく、生きる為にあらゆるものをそぎ落とした完璧な生命。
巣に危険がせまると自分の身を呈して守ろうとするアリ。
日本ミツバチはスズメバチが送る斥候に対して蜂球と呼ばれる対抗手段を持つ。
だが一匹のスズメバチを殺す為に何匹かの味方が犠牲になってしまう。
そんな決断を出来るのはプログラミングされた機械でも無ければ出来ないと僕は思ったのだが、
それも最近は違うのかもしれないと認識を改めている。
発酵した果実が好きでまっすぐに飛べなくなる蜂。
何らかの遊びのようなコミュニケーションを取るゴキブリ。
彼らに何かの考えがあって動いているのだとしたらそれはあまりにも突飛な考えだろう。
でも今はだ。
今はそう思われている。

ダーウィンが進化論を唱えた当時とても大きな論争と非難が巻き起こった。
神が世界を作ったと信じられていた世界で全ての動物は繋がっていると考えるダーウィンの考え方は非常に危険だった。
言うなればそれはキリスト教を根底から揺るがすような考え方だった。
しかし今私たちは進化論こそが真実だと思っている。
それもここ日本ではという話だが。
キリスト教にも色々あり、進化論を今も否定をしている人々もいる。
もしくはインテリジェンスデザイン論などが今は出てきているがどれが真実かは私にはわからない。

魚も苦痛を感じると認めたとして魚に感情があると認める人はどのくらいいるだろうか。
少なくとも僕は懐疑的だったのかもしれない。
もしくはあまり考えた事が無かった。
海とは彼岸なのだ。
私たちは海の中では生きて行く事は出来ず、海の生物の感覚を理解するにはあまりにも遠いと思っている。
ただもし魚たちが感情を持ち、それが少しでも僕たちに理解できたとしたらそれはとても興味深い事だ。
イヌや猫の動作で彼らの感情を推し量るようにいずれ魚や軟体動物の感情の動きをはかる事が出来るかもしれない。
エレファントノーズという熱帯魚はその特徴的な鼻の上に石などをのせてバランスを取る遊びを行う事があるらしい。
これがもし事実だとしたら僕の中の認識を大きく変えねばならないだろう。
遊びをするのであればやはり彼らの世界にも豊かな感情の花が咲いていると思っていいだろう。
それまでの見方とは全く違う、いわば僕にとってのゲシュタルト崩壊のようなものが年々わかってきた。

アシカが魚の泳いだ波紋のようなものから獲物の位置を探り当てる。
動物の豊かな性生活。
急性アルコール中毒で死ぬ鳥。

とこのような雑多な、意味があるようで全く意味のない、役に立ちそうで全く役にたたない。
そんな話を去年、僕が稀に行っている裏動物学講座でさせてもらいました。
今年もこんな無駄な話を続けて行こうと思います。

この前テレビでモンゴルの鷹匠を見ました。
唯一の女性鷹匠のもとに若い女優さんが会いに行き、一緒に暮らし、羊を食べ、寝袋で寝る。
その女優さんが最後こんな事を言っていました。

「動物と生きる彼らの考え方は私には難しくわからない事もあったけど、人間だけの私たちの世界より、何か豊かなのかなって。日本に帰って、どうやって生きればいいか、今考えてる。」

それではみなさん、また次回。

 
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BOXER(ボクサー)
1983年3月3日、茨城県大洗町生まれ。AB型、魚座。
港町に育った幼少時代からポケット図鑑を胸に忍ばせる。
近くに自然がありながら現実の動物というよりかは文献の中の動物に興味を持つ。
中学、高校と特に目立った事をしない学生生活、高校の終わりからボクシングを始める。
そんな中でも知識は増えていく。
大学も国際経済学と全く動物には関係のない学部に進学しボクシングからダンスに移行、
そんな中でも動物の知識は蓄積され続ける。
現在は代々木を拠点にTHE BEATDOWN BROTHERSのメンバーとしてhouse danceを踊り、
レッスンも持ちながらメッセンジャーをしている。
主に伊坂幸太郎の小説、テレビ、ネットなどなど多方面からの動物への情報収集に精を出す。
現在もダンサーとメッセンジャーという動物とは全く関係のない仕事をしながら
動物への飽くる事なき探究心を持て余している。絵なども描く。

 

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