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ジロリのごあいさつ 6

2014.12.25

JIRORI

ジロリ。保立葉菜、竹上妙、山口あきによる版画ユニット。木版画、銅版画でそれぞれの個性を活かした作品を作る。2015年1月にSBBで行われる「本屋でジロリ ごあいさつ」展までの記録をバトン形式で連載中。

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<ジロリのごあいさつ 6>Text by 保立葉菜

 

私は本の虫ではありません。
今まで読んだ本も決して多くはありませんが、寝る間も惜しんで夢中で読んだ本はたくさんあります。本を読み終える度に、作家はすごいなぁと心の底から感心します。映画と違って音楽も映像も無いのに、文字だけで本の世界に引き込みます。

余談ですが、私は作家の沢木耕太郎さんを今まで3回見かけたことがあります。
1度目は10年ほど前、アルバイト先の文房具屋の店先で、水の張った重いバケツを運んでいるとき。前から歩いてくる人をふと見ると、沢木さんでした。
沢木さんは一瞬にして通り過ぎていってしまうのですが、「おはようございます!」と声をかけなかった自分を悔やみました。

2度目はその1年後くらい。帰宅途中、それほど混んでいない電車に乗り込み席を確保すると、私は図書館で借りた本をバッグから取り出し読み始めました。
眉間にシワが寄るほど真剣に読んでいました。どこかの駅で停車したとき、ふと顔を上げると目の前に座っている沢木さんと目が合いました。平然を装い本に目を戻しましたが、それ以降は集中して読めませんでした。

3度目は3〜4年前、母と駒沢公園あたりを散歩しているとき。沢木さんはいかにも出勤途中という感じで前を歩いていました。近所に事務所があるということは知っていたので、場所を突き止めるべく15分ほど尾行しましたが、途中で諦めました。

今回、本がテーマということで、「本、本、本…」と頭をかかえていましたが、結局そのまんま「本」を描くことになりました。こんな表紙の本があったらいいなと思いながら作りました。
タイトルは「空想の午後」です。

 

「空想の午後」
book

 

【プロフィール】
保立葉菜/ほたてはな
東京都生まれ。木版画家。
www.hotatebros.com

個展
「保立葉菜の版画と似顔絵展」スワンカフェ 赤坂
「あぁ楽しや木版画!展」タンバリンギャラリー 外苑前
「保立葉菜 版画展」カフェ エカイエ 中野

グループ展
「ハナとアキミの木版展」
「ジロリ展」他

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