ジロリのごあいさつ 4
2014.12.08
ジロリ。保立葉菜、竹上妙、山口あきによる版画ユニット。木版画、銅版画でそれぞれの個性を活かした作品を作る。2015年1月にSBBで行われる「本屋でジロリ ごあいさつ」展までの記録をバトン形式で連載中。
<ジロリのごあいさつ 4>Text by 山口あき
1月10日から始まるジロリ展のコラムリレーも、二週目に突入しました。
今回「本」という共通のテーマで三人それぞれが制作をするのですが、今まで自分は本を題材にして作品を作った事が無かったなと気がつきました。
「本…..」
テーマは絞られているけれど、いざ考えてみると意外と難しい!
本を読んでいるのか、買いに来ているのか、ただ眺めているのか、読み終わった余韻に浸っているのか…..
色々と案は浮かんでも、それをうまく版画に起こした形がなかなか浮かんでこず「ああでもない、こうでもない」と空想ばかりしていました。
そんな時、自分が昔本屋で働いていた頃、お客さんがじっと本棚を眺める姿を見ていたことを思い出しました。
その本屋は変わり者の店長や、それぞれが偏った好みを持つスタッフが気に入った本やアーティストの作品を集めた宝箱のような空間でした。(残念ながら今はもうありません。)
そこへ集まるお客さん達も、話してみると何だか奇妙で面白い人が多かったです。
その頃の、色んな記憶を思い起こす作品ができました。
【完成した作品の一部】
三者三様の作品が出来上がって、SUNNY BOY BOOKSの壁に並ぶと思うと今からわくわくします!!
我が家のアトリエにはエアコンがないので、着ぶくれて小さなストーブで暖をとりながら制作をしています。
それでも、作品が刷り上がる瞬間は寒さを忘れます!
展示までに、テーブルに置いて飾れる小さめの作品を沢山作りたいと思います。
【プロフィール】
山口あき(やまぐち・あき)
東京都生まれ
2007年より版画制作を始める
個展
「すーはー、すーはぁ。」
「…てんてこまい」
「山口あき銅板画展」
グループ展
「全国大学版画展」
「21世紀美術連立展」
「ジロリ展」
「若手作家版画三人展」他
最近の活動
雑誌イラストレーション「the choice 第187回 皆川 明さんの審査」 入選